メンズカウンセリング協会通信 から

最近のニュースから

Ⅳ.最近のニュースから

○民法の改正案が5月27日の参院本会議で全会一致により可決しました。
 主な改正点は、
(1) 児童を虐待した父母の親権を、家庭裁判所が最長2年間停止できること。
  請求は子ども本人や親族、未成年後見人、児童相談所長、検察官の請求に
  もとづく。
(2) 離婚協議事項として、子の利益を優先して考慮し、親子の面会交流や養育
  費を明文化した。

上記に関連した解説記事を引用しておきます。

(3) 民法には、親権を無期限にはく奪する「親権喪失」規定がありますが、
 「適用しにくい」との指摘がありました。期間限定の制度によって、児童の安
  全を確保するとともに、父母らが目標を持って更生し、いずれは子どもを家
  庭に戻せる可能性を高めることも期待される。

(4) 「面会交流」と「養育費」を明記した件については、Ⅲで触れた「共同親権
  運動ネットワーク」が歓迎する旨の声明を出しています。

なお、政府は来年4月の施行を目指している、とのことです。

(余談ですが私が調べた限り、本件については全国紙の記事で探すことができず、
 しんぶん赤旗で確認できました。また、衆院通過に関しては、4月27日付の
 京都新聞で確認できました。(1)~(3)もこの2紙にもとづきます。)

 

Ⅴ.おわりに

(1) ネット上で「離婚後の親子(特に父と子)が会えなくなる問題」を取り上
 げている人たちの中には、男権主義的・国家主義的・他民族排外主義的な
 「思考」をセットで語る人が少なくありません。
  言うまでもなく、その手の主張はメンズカウンセリングの基本的な考え方と
 は全く相容れないものであり、同意はできません。このような状況をとても残
 念に思うばかりです。
(2) 当協会の理事である味沢道明さんがセクシャルハラスメントで訴えられたこ
 とは、私も含めてみなさんが驚かれたことと思います。この件については、味
 沢さんがご自身のブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/ajikun/)で経過や思
 いを書いておられます。全く事実に反する、とのこと。この件については今後の
行方を見守ってゆきたいと思います。
(3) 大震災や原発事故という、かってない深刻な事態が、今後長年にわたって
 尾を引きそうです。本当に悔しいし残念でなりません。
  心の闇は見ても、社会の闇を見ない、見ようとしないカウンセリングでいい
 のか?という思いが私はつのっています。いや、心の闇さえ見ようとしない
 カウンセリングだってありますよね。「とにかく、前向きに生きなさい」と
 ひたすらハッパをかけるような・・・。みなさんはどう思われますか?

 ・・・とりあえず今月はここまで。ありがとうございました。